第800話 『自由を求める者』
扉絵:森の中でウサギと小鳥たちに囲まれて相撲をとる藤虎
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小さな岩を浮かべ、それに乗る藤虎。巨大な瓦礫の塊のさらに上に行き麦わら達の船を刀を振りかざして見下ろす。麦わら達の会話を聞いている。
バルトロメオが大声で叫ぶ。
バルト
「どーしてだべぇ!? ルフィ先輩!!」
キャベンディッシュ
「なぜだ? もしや、僕が君以上に目立ってしまうのが怖いのか!?」
ウソップ
「ル、ルフィ!! こ、これは、お、お、俺たち一味を!! だ、だだ、だだい、大海賊にするチ、チャン、チ、チャンスだぜ!!!」
突然の事態に動揺を隠せないウソップ。
バルト
「こんなにも名を馳せた海賊たちがセンパイたちの傘下に入っだらば・・・」
ルフィ
「イヤだ!!!」
どーん
腕を組み仁王立ちで断るルフィ。
バルト
「ギャーァァ!!? ルヒィーしぇぇんぱぁぁあいー!! 何故だぁーべぇぇえー!! 嫌われたっぺかぁー!!?」
後ろにぶっ飛び叫んだ挙句、床に頬を付け泣きじゃくるバルト。
ウソップ
「おい、いいじゃんかよルフィ、別に一味に加えてくれって言ってる訳じゃねーんだし、それに…」
ルフィ
「だってお前らみんなおっさんじゃんか!!」
戦士達
「えぇぇー!!? そこぉぉお!?」
ルフィの言葉に目が飛び出る一同。
ルフィ
「何でおっさんが俺の子供になんだ?そんなのイヤに決まってんだろ!」
ゾロ
「ハッハッハ」
ロビンもクスっと微笑む。
キャベンディッシュ
「麦わら! キミは僕をバカにしてるのか!? 僕のどこがおっさんだ!!」
スレイマン
「この先、麦わらの一味の力になれると思んだが、」
オオロンブス
「その通り。5600人もの海賊がこの先の海賊人生、麦わらの一味に力を注ぐ! 名を馳せた海賊があんたのために決めたこの覚悟! どうしてくれよう!!」
オオロンブスの言葉にうなづく戦士達。
ルフィ
「友達でいいじゃねーか! おっさんが子供になんのヤダし、友達多い方がおもしれーし!」
キャベンディッシュ
「だから僕はおっさんじゃない!!」
間髪入れずつっこむキャベツ
その時、ゾロが上空の異変に気付く。
ゾロ
「おいおい、冗談だろ!?」
全員が上空を見上げると、巨大な瓦礫の塊に更に瓦礫が集まり空島のような塊が出来上がっていく。
藤虎
「あっしもこのままじゃ戻れやしないんで」
【王宮】
リク王
「あれは一体?」
ヴィオラ
「大将が動きだしたんだわ」
【海軍】
おつる
「どうするつもりかね、藤虎」
黙って巨大な塊を見上げるセンゴク。
【ロー】
ロー
「あいつ、まさか市民も巻き込む気か?クソッ!」
ルフィの元へ急ぐロー
【海軍テント】
バスティーユ中将
「いよいよだらァ」
海兵
「ちゅ、中将! 船にはまだ市民が!」
バスティーユ中将
「どうする気だイッショウさん」
【ルフィサイド】
上空に斬撃を飛ばしまくるゾロ。
ゾロ
「クソ、こりゃあ何回切れぁいいんだ!?」
バルト
「ぎゃあぁぁぁぁ!! 逃げんべぇぇえゾロ先輩!!」
ウソップ
「ルフィ!出航するぞ!!」
ルフィ
「まだだ! トラ男が来てねぇ!!」
オオロンブス
「こっちもまだ話しは終わってない。我々はどうすればよいのだ!?」
そこへローが到着。
またも怒るキャベン
「こんな大事な時にどこに行ってるんだトラファルガー!!」
ローの手にはギャッツの使っていた電伝虫
ロー
「これだろ麦わら屋」
電伝虫をルフィに渡し、シャンブルズで市民を島に戻す。
ルフィ
「サンキュー、トラ男! よし!それじゃあ…」
キャベンディッシュ
「答えろ麦わら!」
バルト
「傘下にしてほしいだぁぁ!」
オオロンブス
「どうしてくれよう!」
戦士達に次々と聞かれ、怒りの表情で電伝虫を取り、
『うるせぇぇえーーーーーー!!!』
ドレスローザ中に響き渡るルフィの声。
リク王、キュロス達、ヴィオラ、海軍、ドレスローザ市民が驚く。
ルフィ
「そんなの自分で決めろ!何にも縛られねぇで自由なヤツが一番幸せだ! 俺はこの国を見てそう思った、支配されねぇで生きれる方がすげぇ楽しーんだ。」
「だから俺は誰も支配しねーし親分子分なんていらねー!」
「友達はたくさんほしーけどな!」
今までの支配され失った時間と、これからは自分の意思で自由に生きて行ける事がどれだけ幸せか、そしてそれを与えてくれたルフィへの思いに泣くレベッカ。
そんなレベッカを抱きしめるキュロス。
支配が終わったと実感し涙する市民。
ルフィ
『レベッカぁ!! 幸せになれよ!!』
レベッカ
「うん!」
笑顔でうなずくレベッカ
歓喜に叫ぶ市民
「麦わらー!」
「ありがとなー!」
ロー
「麦わら屋!大将が仕掛けてくるぞ!」
藤虎
「合重力‼︎」
瓦礫の塊が圧縮され半分くらいの大きさになる
バルト
「バリ、バリアァァ!! ダメだルフィ先輩ぃぃ!」
ルフィ
「行くぞ〜!野郎共!出航だー!」
「うぉぉおおお!」
ルフィを想うドレスローザの全ての人や戦士達が雄叫びを上げる。
藤虎
「拡散刀壱(カクザトウイチ)‼︎!」
瓦礫の塊が砂のように粉々になり空に舞う。
ガラスの残骸なども混ざり光に反射しキラキラと光る。
それはまるで何かを祝福する花火のように
リク王
「美しい。国の再建には実にふさわしい」
藤虎
「これで少しは片付け楽になりやしたかい」
ドン!