【右腹の森】
雷ぞうが無事だと聞いて安心するカン十郎たちだが、ウソップは納得いかない様子。
ウソップ
「いやいや待てってオイ!」
「お前ら死ぬトコだったんだぞ!?ネコマムシもイヌアラシのおっさんも…腕に足まで失って…無事でよかったよかったなんてそんな話があるかよ!!」
ネコマムシ
「別に腕の1本ぐらい構わんちゃ」
イヌアラシ
「仲間とはそういうものだろう」
当然のように言い放つ2人。ミンク族の面々もうんうんと頷いている。
ボロボロ泣いてるフランキー
「てめェら漢だぜ…!!」
錦えもん
「拙者たちが逆の立場にあっても同じ事をしたであろうな」
カン十郎
「うむ、だからこそ一族はミンク族と兄弟分の盃を交わしたのだから」
ウソップ
「だからこそって…?」
ネコマムシ
「まぁまぁ固い話は好かんじゃきに」
「せっかく兄弟分が訪ねてくれたんじゃけ宴ちゃ!!」
そう言ってジョッキを取り上げるネコマムシ。
カン十郎
「うむ、酒もいいがひとまず雷ぞうに会わせてくれぬか」
イヌアラシ
「そうだな、ワシが案内しよう」
ネコマムシ
「雷ぞう殿がいるのはワシの砦じゃ!犬っコロは引っ込んじゃれ!」
イヌアラシ
「客人の前だ!言葉に気を付けろバケ猫が」
ネコマムシ
「なんじゃァ…!?」
剣を取り出す2人にミンク族が騒ぎ出す
「ちょっと落ち着いて親分!!」
「お止め下さい公爵様!!」
慌ててウソップがボールを投げると、ネコマムシはイヌそっちのけでボールの方へ。
ネコマムシ
「ボールじゃー!!」
しかしボールを捕まえた途端、急にいびきをかいて寝始めるネコマムシ。
チョッパー
「いきなり寝たーっ!?」
ロビン
「そういえば”交代”の時間ね」
さらに周りにいたガーディアンズが倒れるように眠りに落ちてゆく。
ウソップ
「そうか、12時間交代で…」
イヌアラシ
「化け猫が静かになって丁度いい」
「雷ぞう殿の元へ案内しよう こっちだ」
歩き出したイヌアラシの後をついていく一同。
道中、ウソップはあの疑問を口にする。
ウソップ
「ずっと気になってたんだが…なんで”ジャック”は侍を追ってんだ?それにこのゾウに隠れてるって知ってたのはどうしてなんだ?」
フランキー
「そうだな、俺も聞こうとしてたところだ」
ロビン
「………」
錦えもん
「…それは拙者が答えよう」
そして錦えもんが語ったのは以下のような内容だった。
雷ぞうは侍の国である『ワノ国』唯一の忍者。
その正体はコピコピの実の複製人間(分身も作れるから忍者呼ばわりされている)
触れたものを複製できる能力で、悪魔の実から国宝に人間に至るまであらゆるものを複製できるとんでもない能力。
その能力を狙ったカイドウにワノ国が襲撃され、光月一族の末裔にして未来の将軍であるモモの助と雷ぞうを同盟国のゾウに逃がす&加勢を求めるために4人で出発することに。
しかし道中ドフラミンゴに襲われたことで一同は離散、そしてパンクハザードやドレスローザでの出来事へと繋がる。
また、ジャック達が”ゾウ”へ来たということは光月一族の城は墜ちたということ。
同心がどこへ逃げたかなど、どんな拷問を受けようと口を割るような者はいない。だとすれば城の中を捜索され、ゾウと行き来するためのビブルカードを奪われたとしか考えられないらしい。
そうこうしてる間にネコマムシの住処に到着する一同。
イヌアラシは玄関の扉ではなく、家の脇にある地下への隠し通路のようなものを進む。
ウソップ
「こんなところに入口が…!」
イヌアラシ
「ああ、それと…非常事態ゆえ、無礼とは知りつつ客人を拘束させてもらった」
「本当に申し訳ない」
カン十郎
「?」
薄暗い地下室を進むと、その先には涙と鼻水だらけで猿ぐつわ噛まされてフーッ…フーッって歯を食いしばる雷ぞうの姿。
怒るルフィだが、こうでもしなければ雷ぞう殿はジャックの前に飛び出しただろうとイヌアラシ。
その点はカン十郎らも理解していたようで、文句一つ言わず雷ぞうの縄をほどく。
そして解放された瞬間、イヌアラシに涙の土下座をする雷ぞう。
雷ぞう
「拙者のせいで国がメチャクチャに…この命に代えてもなお侘び足らぬ…!!」
イヌアラシ
「当然のことをしたまで」
そう言ってニコっと笑うイヌアラシ。
雷ぞうは斬りおとされたイヌアラシの左脚を見てさらに号泣。
カン十郎
「積もる話もあるだろうがまずは外に出ようではないか」
「かような暗い場所に長居は無用」
錦えもん
「うむ」
そして一同は場所を移すことに。
地上へ出て、ネコマムシの家に入ろうとするルフィをワンダが慌てて止める。
ワンダ
「公爵様は旦那様の家には立ち入れぬ」
「このまま公爵様の自宅に向かおう」
イヌアラシ
「そうだな ここはネコ臭くてたまらん」
そう言って鼻をヒクヒクさせるイヌアラシ。
ウソップ
「本当に仲悪りィんだな…」
ワンダ
「………」
そして一同はイヌアラシ公爵の自宅へと向かう。
道中、雷ぞうに錦えもんがルフィ達の紹介をしている。
錦えもん
「…というわけで、拙者たちにとっての大恩人なのだ」
ワンダ
「私達ミンクにとっても大恩人だ!彼等がいなければ国は滅びていた」
雷ぞう
「そうであったか…同心を助けて頂いた事、心から感謝申し上げる!!」
そう言って直立不動で深々と頭を下げる雷ぞう。
ルフィ
「お礼より肉がいいな」
ナミ
「ルフィ!」
ウソップ
「それにしても侍ってのはえらい義理堅いんだな」
ロビン
「そうね…だからこそミンク族と馬が合うのかもしれないわね」
そこで口を挟むゾロ
「それよりワノ国自体はどうなってんだ?」
「強い侍が大勢いるから世界政府にも加盟してねェって聞いたが…”四皇”相手となると話は別なのか」
ロビン
「お侍さんが国を治めているのよね」
錦えもん「如何にも…拙者たちのいたワノ国を治めるのが何を隠そう光月一族」
「拙者以外にも武芸に秀でた家臣に兵士を大勢抱えておる…たいていの国より武力はあると自負はあるがー..」
「”あ奴”の力は想像も及ばぬ程であった…」
ロビン
「あ奴?」
フランキー
「1人ってことか!?」
錦えもん
「ああ…人呼んで”百獣のカイドウ”」
「この男のせいでワノ国は一晩で壊滅したのだ…!!」
錦えもんの回想が始まる。
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