第752話『ドンキホーテ・コラソン』
ついにぶつかり合うサボと藤虎。
刀と鉄パイプ、武器こそ違うがどちらも武装色で覆われている。
藤虎「一筋縄ではいきやせんねえ…」
サボ「お互い様だ…」
ドンッ!!
「うわああっ!!」
「離れろー!!巻き込まれるぞ!!」
衝撃で倒れていく海兵たち。
「今のうちに王宮へ向かえー!!」
サボ「あっお前ら!」
「でも下っ端なら問題ないか…!」
ひとまず藤虎に集中するサボ。
バスティーユは全く意識が無い様子。
ガガガガッ!!
目まぐるしい速さで攻防が繰り広げられる。
両手で自在に鉄パイプを操るサボに対し、片手で攻撃を防ぎきる藤虎。
海兵「イッショウさんは悪魔の実だけじゃねえ…剣士としても有名なんだぜ!」
ブンッ!!っと振り抜いた鉄パイプをかわす藤虎。
だが避ける寸前、鉄パイプの先から火柱が伸びる。
藤虎「!!」
見聞色の覇気でギリギリかわした藤虎は逆にサボに突きを放つ。
ビュッ!!
藤虎の突きがサボの頬を掠める。間一髪で避けるサボ。
藤虎「ほう…仕留めたかと思いやしたが…」
サボ「へへ、慣れないことはするもんじゃねえな」
「ひとまず火拳は封印だ」
鉄パイプから出てた火が消え、再びサボが仕掛ける。
ガキキキキキキ!!
より一層激しい攻防が繰り広げられる。
藤虎「ぬんっ!!」
思いっきり刀を振り下ろす藤虎だが、サボは鉄パイプで受け止める。
サボ「その程度の覇気じゃ斬れねえよ」
藤虎「ほう…どの程度なら斬れるでしょうかね…」
ゴゴゴゴ…
途端に藤虎の纏う覇気が大きくなっていく。
サボ「おいおい…」
初めて焦りの表情を見せるサボ。
「イ、イッショウさんが本気だ!!全員避難しろー!!」
藤虎「さて…!」
改めて刀を構える藤虎。
サボ(さすがに大将となると…一味違うな…!!)
シュンッっと藤虎が刀を振り抜く。
と次の瞬間、サボの背後にあった建物が斬撃で粉々に崩れ落ちる。
サボ「おいおい…」
さらに畳み掛けるように斬撃を飛ばす藤虎。
ズバババババン!!!
地面が抉れ、瓦礫が砕け、みるみる地形が変わっていく。
そんな怒涛の攻撃を、サボは避けることしかできない。
サボ(飛ぶ斬撃か!距離を取るのは得策じゃない!!)
(一か八か…!!)
覚悟を決め、敢えて藤虎の懐へ飛び出すサボ。
藤虎「なかなか度胸があることで…」
振り下ろされた刀を避け、サボは高く飛び上がる。
サボ「うおおお!!」
藤虎の上空から襲い掛かるサボだが、そのとき藤虎が能力を発動。
サボ「!!」
ドンッ!!っと地面に叩きつけられるサボ。
サボ「う、ぐ…」
ベコオッ!!
サボの周りの地面が巨大な重力によって凹んでいく。
海兵「出た!!イッショウさんの〝オモオモの実〟!!」
「もう逃げられねえぞ!!」
サボ(動けねえ…これはマズい…!!)
藤虎「もう逃げられやしませんよ…」
サボ(くそっ、腕すら動かねえ…!)
藤虎は刀を納めつつ、近くの海兵に声を掛ける。
藤虎「すいやせん… 手錠、持ってやしませんか?」
「は、はい只今!!」
一人の海兵が腰のベルトから海楼石の手錠を取り出し、サボの元へ。
絶体絶命のサボの脳裏に浮かんだのは 手配書に映るルフィの顔だった。
サボ(ルフィを…助けるのはオレしかいないんだ!!)
サボの眼に光が宿る。
サボ「うおおおお!!!」
叫び声と共に、渾身の力で立ち上がるサボ。
藤虎「これはいけない…!」
刀を抜き、サボに斬りかかる藤虎。
ドスッ!!
藤虎「!?」
左腕の半分まで減り込む刀。血が流れ落ちるが、サボは全く動じない。
藤虎(動かない…!まさか筋肉で…?)
サボは反対の腕をゆっくりと構える。
サボ「へへっ、捕まえたぜ!!」
「火竜の鉤爪!!」
炎を纏った右腕が藤虎の上半身目がけて襲う。
藤虎「!!」
ドンッ!!
強烈な一撃に吹き飛ぶ藤虎。
「イ、イッショウさん!!」
まさかの事態に騒然となる海軍。
サボ 「痛って…!!」
刺さっていた刀を抜き取るサボ。
ブシュっと血が飛び出すが、服を破って結んで止血を始める。
「ケガを負ってるぞ!!今の内に仕留めろ!!」
「全員撃てーっ!!」
バババババババババン!!
数十人の海兵が一斉に発砲し、慌てて隠れるサボだったが銃弾が身体を貫通していくことに気付く。
サボ「ああそうか、自然系(ロギア)だもんな」
落ち着いて腕の止血を再開するサボ。
サボ「へへ、こりゃ便利だなエース…」
少し離れた場所で起き上がる藤虎。
右腕からダラダラ血を流しているが、闘志は全く衰えていない様子。
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場面かわり、ルフィサイド。
ルフィ「ミンゴか!?なんでこんなとこに!」
戸惑うロー。
ロー「ドフラ…ミンゴ…?」
ドフラ「ふっふっふ、オレを忘れちまったかロー」
ルフィ「お前らさっき闘ってたばっかじゃねえか!」
「どいてろ、手錠じゃ戦えねえだろ! 俺が…」
ロー「いや、待て…」
ルフィの話を遮るロー。
ローからは逆行でドフラミンゴの姿がよく見えないが、違和感を感じ取っている様子。
ドフラ「フッフッフ…驚いたか?」
ロー「どういうことだ…アンタは…」
ドフラ「話すと長いのさ、いろいろあってな…」
ロー「嘘だろ…」
その場にへたり込むロー。
ルフィ「おいどうしたんだトラ男!」
ドフラ「お前が〝麦わらのルフィ〟か…ドラゴンさんとサボに話は聞いてるよ」
ルフィ「父ちゃん?サボ?なんでお前がサボのこと知ってんだよミンゴ!」
やる気満々で拳を構えるルフィ。その姿に思わず吹き出すドフラミンゴ。
ドフラ「はっはっは、やっぱりそう見えるか」
「革命軍に拾われてしばらくは誰も信じてくれなかったよ、ドフラミンゴじゃないと言ってもな」
ルフィ「??」
「何言ってんだおめーミンゴだろ? そっくりじゃねえか」
ドフラ「お前から教えてやれよロー、もう気付いてるだろ?」
ロー「この人は……ドフラミンゴの双子の弟、ドンキホーテ・コラソンだ」
「死んだと思ってたが…」
ドフラ「すまねえな、死んだことにしてもらったんだ」
「兄貴が有名すぎると弟は迷惑なんだ、分かるだろ〝麦わら〟?」
ルフィ「知るか!」
「おめー本当にミンゴじゃないのか!?」
コラ「違う、と言っても信じるか分からねえけどな」
そのとき、堰を切ったようにローが涙をながし始める。
ロー「コラさん…俺は…俺は…!!」
いつものローとは全く違う姿に戸惑うルフィ。
ルフィ「おいトラ男…!」
ロー「この13年…俺はずっと…!」
コラ「分かってるさ、すまねえなロー…」
そう言ってローの肩を抱くコラソン。
ルフィはますます混乱していく。
煽り文:生きていたコラソン!!
13年前の真相、その鍵を握るのは革命軍…!?
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