煽り:平和の国ドレスローザ
国中を巻き込んだ戦がいま始まる…!!
「こいつら手を組み始めやがったああー!!」
馬に乗り、雑魚を蹴散らしながら突き進むキャベンディッシュとルフィ。
その周囲では剣闘士たちがあちこちでファミリーと交戦中。
「麦わらたちを通せーー!!」
ドゴオオン!!
巨人戦士ハイルディンの強烈な一撃で地面が抉れ、道ができる。
ハイル「今の内だ!!」
キャベ「ふふ、いいアシストじゃないか」
「行くぞっ!!」
パカッパカッ…
キャベ「………」
ルフィ「………」
キュロス「………」
定員オーバーで全っ然進まない白馬。
キャベン「やっぱり後ろの2人降りろよ!」
ハイル「何をノロノロしてるんだお前ら!!」
キャベン「うるさい!文句言うなら後ろの2人に言ってくれ!」
ルフィ「まーいいじゃねえか」
キュロス「すまないな」
ロー「お前が降りろ、俺たちはドフラミンゴに用がある」
この一言で遂にキレるキャベンディッシュ。
キャベン「それが乗せてもらう者の態度か…?」
「この最悪の世代め…!」
剣を握りしめるキャベンディッシュ。
ハイル「早く行けお前ら!」
ハイルディンがキャベンディッシュに声を掛けるが全く耳に入っていない。
ドフラ部下1「な、なんでコイツら仲間割れしてるんだ…?」
ドフラ部下2「手を組んだんじゃなかったのか…?」
王の台地での戦闘、その10分前…
王室に幹部たちを集めるドフラミンゴ。
ラオG「全員が揃ったのはいつぶりかのう」
デリンジャー「どこが全員なのよー!!」
マッハバイス「ピーカ様もセニョールもいなイ~ン」
グラディウス「ピーカ様は外で戦闘中だ」
名のある幹部たち、さらにモブ兵を束ねるリーダー格の兵たちも勢ぞろい。
全ての兵隊を前に、ドフラが話し出す。
ドフラ「いいか、これは戦争だ!!」
「敵対する奴は一人残らず殺せ!もちろん受刑者を仕留めた奴には賞金も出すぞ!!」
『うおおおーー!!』
『オレがやるぞーーーー!!』
士気が高まる兵隊たち。
ドフラ「だがリク王と麦わらのルフィ、トラファルガー・ローだけは別だ」
「こいつらは必ず生け捕りにして来い!!」
口を挟むディアマンテ。
ディア「ローはともかく、麦わらとリク王は仕留めてもいいんじゃないか?」
「コロシアムに出場した剣闘士たちまで暴れ出して面倒なんだ」
「さっさと仕留めた方が早い」
ドフラ「いや、生け捕りだ。奴らは今回の事件の犯人になる予定だからな…」
「処刑は全国放送で中継する それで一件落着だ」
ディア「ローはどうするんだドフィ」
ドフラ「もちろん殺すさ ファミリーを裏切ったんだ」
「使いどころのある小僧だったが…せめて俺の手で殺してやる」
ディア「そうか…」
幹部や兵隊たちが王室を去ったあと、ドフラミンゴは椅子に座り、ひとり物思いにふける。
―ドフラミンゴの回想―
ロー「全てを破壊したい」
身体に手榴弾を巻きつけた異様な少年の出現に、ファミリーはちょっとした騒ぎになる。
「何なんだコイツ、頭おかしいんじゃねえのか!?」
「おい誰だこのガキ、中に入れたの!」
「見張りが倒れてるぞ!!」
そんな状況でも幹部たちは比較的冷静だった。
ドフラ「フッフッフ…なかなか威勢のいいガキじゃねえか」
ディア「威勢と言うか…ただのイカれた小僧だろ」
「白い町…あの実験場か…」
現れたのはドフラミンゴそっくりの男。
違いは髪がドフラミンゴより少し短いのとピアスの有無のみ。
彼こそドフラミンゴの実の弟、コラソンだった。
ロー「………」
ディア「白い町?なんだそれ?」
コラソン「海軍の科学班の管轄で 町一つが生体兵器の実験場そのものになってる」
「…よく逃げだせたな、海軍本部なみのセキュリティだと聞いたが」
ロー「……」
ディア「おい待て!それ伝染したりしねえのか!?」
ローをチラっと見るコラソン。
完全に眼が充血し、手足は良く見ると腫れている。
コラソン「毒だな、ウイルスとかじゃねえから安心しろ」
そういって自分の椅子に戻るコラソン。椅子の背にはハートのマークが。
※白い町とは海軍の科学班に所属していた若い研究者の主導で作られた巨大実験施設。
主に生体用毒ガス兵器、細菌兵器などを用いた非人道的な実験が行われている。
実験体は全て生身の人間だが、ほとんどが海賊などの犯罪者とその身内である。
施設の設置にあたっては人道的観点から海軍の内外問わず反対の声が噴出したが、当時の中将〝赤犬〟の援護もあり、死刑に値する重犯罪人のみ収容可能と言う条件の下で運用をスタート。
しかし実験体を安定的に確保することは難しく、このルールは徐々に形骸化していった。
また、あまりにも残虐な兵器の開発、日常的な被験者への暴行、劣悪な居住環境など数々のガイドライン違反が後に発覚。研究者は本件の責任を追及され、海軍を永久追放される。
実験終了後は消毒のための塩素ガスを巻くのが日常だったが、ほぼ毎日白い霧が立ち込めているように見えるため、いつしか【白い町】と名前が付いた。
―回想終わり―
ドフラ「………」
ローとの出会いを思い出すドフラミンゴ。
そこに現れたベラミー。
ドフラ「俺とお前は目的が違うんだ…」
「五色糸(ゴシキート)!!」
ザシュッ!!
ベラミー「ぐあああ!!」
血を流し、倒れ込むベラミー。
その眼には涙が浮かんでいる。
ベラミー「ドフラミンゴ…俺は本当にあんたを…」
ドフラ「ふんっ、ローの奴とは大違いだ」
ザシュッ…
躊躇なくベラミーにとどめを刺すと、血に濡れたまま王室を出て行くドフラミンゴ。
煽り:ローとドフラミンゴの間の深い因縁とは…?
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